最終更新: 2026年7月 / 制度・料率は令和8年度に基づきます。
育児時短就業給付とは(2025年4月新設)
育児時短就業給付は、2歳未満の子を養育するために時短勤務をする労働者を支援するため、2025年4月に新設された雇用保険の給付です。時短勤務によって賃金が下がった分を補うために、時短後の賃金の10%相当額が支給されます。競合の多くの「時短復帰シミュレーター」はこの給付金を考慮せず、単純に労働時間で按分した手取りしか示していませんが、実際にはこの給付金を含めて考えないと本当の手取りは分かりません。
対象と支給額(賃金の10%)
2歳未満の子を養育するために時短勤務をしており、時短勤務前後で賃金が下がった方が対象です。支給額は時短後の賃金(上限471,393円・2026年7月31日までの額)の10%です。ただし次の点に注意してください。
- 時短前後の賃金比率が90%を超える場合は、給付額が調整(逓減)されます。正確な支給額はハローワークでご確認ください。
- 時短勤務をしても賃金が下がっていない(100%以上)場合は支給されません。
- 算出された支給額が最低限度額(2,411円)を下回る場合は支給されません。
時短でも手取りは「額面ほど」減らない
時短で額面(月給)が下がっても、手取りは同じだけ減るわけではありません。理由は3つあります。①育児時短就業給付(賃金の10%)は非課税で、社会保険料の対象にもならず、そのまま手取りに上乗せされること。②賃金が下がれば、それに応じて所得税・社会保険料も下がること。③この2つが重なるため、額面の減少ほどには手取りは減らないのです。競合の多くはこの点を無視して単純な時間按分しか示していません。
東京都・40歳未満・扶養なし・改定後(4ヶ月目以降)の概算で見てみます。
例1:時短前25万円 → 時短後20万円(額面 −5万円)
給付金2万円が非課税で上乗せされ、税・社会保険料も下がるため、手取りは約20万800円 → 約18万3,400円。額面は5万円下がっても、手取りの減少は約1万7千円にとどまります。
例2:時短前30万円 → 時短後22.5万円(1日6時間相当・額面 −7.5万円)
手取りは約24万700円 → 約20万5,800円。額面7.5万円減に対して、手取りの減少は約3万5千円です。
あなたの時短前後の月給での正確な数字は、上のシミュレーターで確認できます。
いつまでもらえる?(給付は2歳未満・時短勤務は3歳まで)
育児時短就業給付を受け取れるのは、子が2歳になるまでの時短勤務期間です。一方、時短勤務(所定労働時間の短縮措置)そのものは、育児・介護休業法により子が3歳になるまで会社に用意する義務があります(3歳〜就学前は会社が選ぶ制度によります)。つまり「時短は3歳まで続けられるが、給付は2歳まで」という点に注意してください。
対象は、雇用保険に加入し、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮している方です。1日6時間の時短に限らず、週の勤務日数を減らす・フレックス等で労働時間を短縮している場合も対象になります。(出典: 厚生労働省 短時間勤務等の措置)
復帰後に社会保険料が下がるタイミング(4ヶ月目)
時短勤務で給与が下がっても、社会保険料はすぐには下がりません。標準報酬月額の改定(随時改定)は、原則として給与の変動が3ヶ月連続した場合に、4ヶ月目から反映されます。復帰直後の2〜3ヶ月は、育休前の高い標準報酬月額のままの保険料が引かれる点に注意してください(本シミュレーターは改定後・4ヶ月目以降の金額を計算しています)。
将来の年金は減る?(養育期間標準報酬月額特例)
時短勤務で標準報酬月額が下がると、将来受け取る厚生年金額も本来は減ってしまいます。しかし「養育期間標準報酬月額特例」を年金事務所に申請すれば、3歳未満の子を養育している期間について、将来の年金額の計算上は育休前の高い標準報酬月額のまま扱われ、年金が減ることを防げます。この特例は自動適用ではなく申請が必要なので、復帰後に忘れずに手続きすることをおすすめします。
よくある誤解
- 「時短で給料が下がった分、そのまま手取りも減る」という誤解 — 育児時短就業給付(賃金の10%)により、額面の減少ほど手取りは減らないケースが多くあります。
- 「時短にすると将来の年金が確実に減る」という誤解 — 養育期間標準報酬月額特例を申請すれば年金額への影響を防げます。
- 「復帰した月からすぐ保険料が下がる」という誤解 — 実際には随時改定により4ヶ月目からの反映になります。
よくある質問
- Q. 育児時短就業給付とは何ですか?
- A. 2025年4月に新設された給付で、2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている間、時短後の賃金の10%相当額が雇用保険から支給されます。
- Q. 育児時短就業給付はいくらもらえますか?
- A. 時短後の賃金(上限あり)の10%です。ただし時短前後の賃金比率が90%を超える場合は減額調整され、100%以上(時短で賃金が下がっていない)場合は支給されません。
- Q. 復帰後すぐに社会保険料は下がりますか?
- A. すぐには下がりません。標準報酬月額の改定(随時改定)は原則、復帰後の給与が3ヶ月連続で変動した場合に4ヶ月目から反映されます。
- Q. 時短勤務で将来の年金は減りますか?
- A. 「養育期間標準報酬月額特例」を申請すれば、時短で標準報酬月額が下がっても、将来の年金額の計算では従前(育休前)の高い標準報酬月額のまま扱われ、年金は減りません。申請が必要な点に注意してください。
- Q. 時短勤務で手取りはどのくらい減りますか?
- A. 額面(月給)の減少ほどは減りません。育児時短就業給付が非課税・社会保険料の対象外で手取りに上乗せされ、さらに賃金が下がると税・社会保険料も下がるためです。例えば時短前25万円→時短後20万円(東京都・40歳未満・扶養なし・改定後)なら、額面は5万円減っても手取りの減少は約1万7千円にとどまります。正確な額は上のシミュレーターでご確認ください。
- Q. 育児時短就業給付はいつまでもらえますか?
- A. 子が2歳になるまでの時短勤務期間です。時短勤務制度そのものは育児・介護休業法により子が3歳になるまで会社に措置義務がありますが、給付の対象は2歳未満までです。
- Q. 1日6時間の時短でないと対象外ですか?
- A. いいえ。週の勤務日数を減らす・フレックス等で所定労働時間を短縮している場合も対象です。雇用保険に加入し、2歳未満の子を養育していることが条件です。
- Q. 育児休業給付とは何が違いますか?
- A. 育児休業給付は「休業中(働かない期間)」に支給される給付、育児時短就業給付は「時短で働きながら」受け取る給付(時短後賃金の10%)です。育休から時短勤務に切り替えると、受け取る給付も切り替わります。
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