最終更新: 2026年7月 / 制度・料率は令和8年度に基づきます。出典: 国税庁・厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会。
年収の壁は「税」と「社会保険」の2種類
「年収の壁」とひとくちに言っても、実は性質の異なる2系統があります。ここを分けて考えるのが、混乱しないための第一歩です。
- 税金の壁 … 住民税・所得税がかかり始めるライン、配偶者控除・配偶者特別控除を受けられるラインなど。超えても「税負担が少し増える」だけで、いきなり大きく手取りが減るわけではありません。
- 社会保険の壁 … 自分が勤務先の社会保険に加入するライン(106万円)、配偶者の社会保険の扶養から外れるライン(130万円)。こちらは超えると保険料負担が発生し、手取りへの影響が大きいのが特徴です。
2026年のパートの年収帯では、所得税の壁が178万円まで上がったこともあり、手取りを左右する最大の要素は社会保険の壁になっています。
【早見表】2026年(令和8年)の年収の壁
| 年収の目安 | 区分 | 2026年(令和8年)の内容 |
|---|---|---|
| 約100〜110万円 | 住民税 | 住民税がかかり始める目安。自治体により93〜100万円の地域もあります。 |
| 106万円 | 社会保険 (賃金要件) | 2026年10月に賃金要件が撤廃。加入判定は「週20時間以上か」に一本化されます。 |
| 130万円 | 社会保険 (被扶養) | 配偶者などの扶養から外れる上限。2026年4月から判定が労働契約ベースに(60歳以上・障害者は180万円、19〜22歳等は150万円が目安)。 |
| 136万円 | 税 (配偶者控除) | 配偶者控除を満額受けられる上限。令和8年で103万円から拡大。超えても207万円までは配偶者特別控除が段階的に適用されます。 |
| 178万円 | 税 (所得税) | 本人に所得税がかかり始める目安。令和8年で160万円から引き上げ(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。 |
| 207万円 | 税 (配偶者特別控除) | これを超えると配偶者特別控除も受けられなくなります。令和8年で201万円から拡大。 |
税金の壁(住民税・所得税・配偶者控除)
住民税の壁:約103〜110万円(令和8年〜)
住民税がかかり始めるおおよそのラインです。令和8年度からは給与所得控除の引き上げにより、給与収入で約110万円(1級地・単身)まで上がりました(自治体により概ね103〜110万円)。金額はそれほど大きくないため、「働き損」の主因になることは多くありません。くわしくは住民税の壁は何円から?(2026年版)で解説しています。
所得税の壁:178万円(令和8年〜)
本人に所得税がかかり始めるラインは、令和8年の税制改正で178万円まで引き上げられました(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。かつての103万円・令和7年の160万円から大きく上がっています。なお令和8年中の毎月の源泉徴収は従来の税額表で行われ、差額は年末調整で精算されます。
配偶者控除の壁:136万円/配偶者特別控除:207万円(令和8年〜)
配偶者(夫または妻)を扶養している人が「配偶者控除」を満額受けられる、配偶者側の給与収入の上限が136万円に拡大しました(令和8・9年分)。136万円を超えても207万円までは「配偶者特別控除」が段階的に適用されます。旧来の「150万円」「201万円」とは金額が変わっている点に注意してください。
社会保険の壁(106万円・130万円)
106万円の壁:2026年10月に撤廃 → 「週20時間」へ
パート・アルバイトが自分の勤務先の社会保険に加入する条件のひとつだった「月額賃金8.8万円以上(年収約106万円)」という賃金要件が、2026年10月に撤廃されます。撤廃後は「週20時間以上・従業員51人以上の企業・学生でない」などの条件が残り、判定は実質「週20時間か」に一本化されます。
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130万円の壁:配偶者の扶養から外れるライン(2026年4月に判定変更)
配偶者の社会保険の扶養でいられる年収の上限が130万円です(60歳以上・障害者は180万円、19〜22歳等は150万円)。これを超えると扶養から外れ、自分で社会保険料を負担することになります。2026年4月からは、扶養認定の判定が労働契約(労働条件通知書)に記載された基本的な収入をもとに行われるようになり、給与は残業代を含めずに計算します。契約上130万円未満であれば、一時的な残業で実際の収入が超えても、ただちに扶養から外れる扱いにはなりません(恒常的に超える場合は対象)。
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結局、どの壁を気にすればいい?
あなたの働き方によって、意識すべき壁は変わります。
- 自分の勤務先で社会保険に加入する可能性がある人(週20時間以上・従業員51人以上など)… 106万円(2026年10月以降は週20時間)が分かれ目。加入で手取りは一時的に下がりますが、将来の厚生年金や傷病手当金などの保障が得られます。
- 配偶者の扶養に入って働く人(週20時間未満や50人以下の会社など)… 130万円が最重要。超えて扶養を外れると保険料負担が生じます。
- 育休から時短勤務で復帰する人 … 賃金だけでなく育児時短就業給付(賃金の10%)も込みで手取りを見る必要があります。
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よくある質問
- Q. 年収の壁にはどんな種類がありますか?
- A. 大きく分けて税金の壁(住民税・所得税・配偶者控除)と社会保険の壁(自分の勤務先で加入する106万円、配偶者の扶養から外れる130万円)の2種類があります。それぞれ目的も影響も異なります。
- Q. 2026年(令和8年)に年収の壁はどう変わりましたか?
- A. 本人の所得税がかかり始めるラインが178万円に引き上げられ、配偶者控除の対象も給与収入136万円まで拡大しました。社会保険では、106万円の賃金要件が2026年10月に撤廃され、130万円の扶養認定は2026年4月から労働契約ベースの判定に変わりました。
- Q. 106万円の壁と130万円の壁は何が違いますか?
- A. 106万円の壁は自分の勤務先で社会保険に加入する条件(2026年10月に賃金要件が撤廃され、判定は週20時間以上かに一本化)。130万円の壁は配偶者の社会保険の扶養でいられる年収の上限です。106は自分の会社で入るか、130は家族の扶養でいられるか、の違いです。
- Q. 結局、どの壁を気にすればよいですか?
- A. 自分の勤務先で社会保険に加入する可能性がある方(週20時間以上・従業員51人以上など)は106万円(2026年10月以降は週20時間)を、配偶者の扶養に入って働く方は130万円を、それぞれ最重要の壁として意識するとよいです。
- Q. 壁を超えると手取りは必ず減りますか?
- A. 一時的に手取りが逆転する「働き損」ゾーンはありますが、労働時間や収入を増やせば手取りは元を上回ります。具体的な損しないラインは、当サイトのシミュレーターであなたの条件を入れて確認できます。
本記事は公開されている制度・料率に基づく一般的な情報提供であり、正確性・完全性を保証するものではありません。税額・保険料・給付額は加入する保険者、お住まいの自治体、勤務先の取り扱い等により異なります。正確な内容は勤務先・年金事務所・税務署・お住まいの市区町村等にご確認ください。